個別解説

重症度、医療・看護必要度

ryu

「重症度、医療・看護必要度」とは?

ポイント
  • 急性病院でよく使われる用語(略して「看護必要度」とも)
    • 「重症度」+「医療必要度」+「看護必要度」
      • 重症度 …手術直後・救急搬送直後
      • 医療必要度… お薬・輸血・放射線治療
      • 看護必要度… 寝返り・食事・歩く
  • 入院患者さんを「手のかかり度」で2パターンに分ける
    • 該当患者
    • 非該当患者
  • 病棟全体の割合を「該当患者割合」と呼ぶ
    • 100人中30人が該当患者さんだと30%
  • 病棟全体で該当患者さんが多いと、、、
    • 病棟全体で高い入院料が取れる!
    • 入院の加算が取れる!
  • 診療報酬改定で大切なこと
    • 該当患者割合の変更… 29%→28%
    • 判定基準の変更… A項目・B項目・C項目

2022年度の改訂内容

全体像

  1. 一般病棟用
    1. 評価項目の変更
      1. 「心電図モニターの管理」:廃止(1点→0点)
      2. 「点滴ライン同時3本以上」→「注射薬剤3種類以上の管理」
      3. 「輸血や血液製剤の管理」:1点→2点
    2. 施設基準の変更(例)
      1. 急性期一般入院料1:29%→28%(必要度Ⅱ)
      2. 急性期一般入院料4:20%→17%(必要度Ⅱ・200床以上)
      3. 総合入院体制加算1:33%→30%(必要度Ⅱ)
    3. 必要度Ⅱの義務化
      1. 急性期一般入院料1:400床以上→200床以上(許可病床)
  2. ハイケアユニット用
    1. 救命救急入院料1・3:「特定集中治療室用」→「ハイケアユニット用」
      (救命救急入院料2・4:「特定集中治療室用」のまま)
  3. 特定集中治療室用
    1. 評価項目の変更
      1. A項目「心電図モニターの管理」:廃止(1点→0点)
      2. A項目「特殊な治療法等」IMPELLAが追加
      3. B項目「患者の状況等」:廃止(測定は引き続き必要!)
      4. 判定基準「A項目:4点」+「B項目:3点」
        →「A項目:3点」
    1. 必要度Ⅱでも提出可能に(例)
      1. 特定集中治療室管理料1:「Ⅰ:80%」or「Ⅱ:70%」
      2. 特定集中治療室管理料3:「Ⅰ:70%」or「Ⅱ:60%」
        (「Ⅰ」の基準は据置、「Ⅱ」で10%下がる)

一般病棟

【1】評価項目の変更

  1. 一般病棟用
    1. 評価項目の変更
      1. 「心電図モニターの管理」:廃止(1点→0点)
      2. 「点滴ライン同時3本以上」→「注射薬剤3種類以上の管理」
      3. 「輸血や血液製剤の管理」:1点→2点
りゅう
りゅう

「モニタリング及び処置等」が実質「処置等」に…

判定基準は変更なし
  • A得点が2点以上かつB得点が3点以上の患者
  • A得点が3点以上の患者
  • C得点が1点以上の患者
りゅう
りゅう

「A項目があと1点だけ足りない…」

経過措置
  • 令和4年9月30日

【2】施設基準の変更

各点数の基準の変更

総合入院体制加算
総合入院体制加算
  • A得点が2点以上の患者
  • C得点が1点以上の患者
地域包括ケア病棟入院料
地域包括ケア病棟入院料
  • A得点が1点以上
  • C得点が1点以上
特定一般病棟入院料注7(地域包括ケア1)
地域包括ケア病棟入院料
  • A得点が1点以上
  • C得点が1点以上
その他
一般的な基準
  • A得点が2点以上かつB得点が3点以上の患者
  • A得点が3点以上の患者
  • C得点が1点以上の患者

【3】必要度Ⅱの義務化

ちょっと解釈のお話!
  • なんのために(Ⅰ)ではなく(Ⅱ)なのか
    • 「測定に係る負担軽減」(建前?)
    • 「測定の適正化」(本音?)
  • 「測定に係る負担軽減」→働き方改革!!!
    • 看護師さんのメインのお仕事
      • 療養上の世話…患者さんの身の回りのサポート
      • 診療の補助 …お医者さんの治療のサポート
  • 「測定の適正化」→全国どこでも同じように測定したい!!!
    • 「手引き」や「研修」はあるものの…
    • 「適正化」≒「これまで良くなかったことを改善する」
経過措置
  • 令和4年12月31日

ハイケアユニット用

  1. 一般病棟用
  2. ハイケアユニット用
    1. 救命救急入院料1・3:「特定集中治療室用」→「ハイケアユニット用」
      (救命救急入院料2・4:「特定集中治療室用」のまま)
  3. 特定集中治療室用
    1. 評価項目の変更
      1. A項目「心電図モニターの管理」:廃止(1点→0点)
      2. B項目「患者の状況等」:廃止(測定は引き続き必要!)
      3. 判定基準「A項目:4点」+「B項目:3点」
        →「A項目:3点」
    1. 必要度Ⅱでも提出可能に(例)
      1. 特定集中治療室管理料1:「Ⅰ:80%」or「Ⅱ:70%」
      2. 特定集中治療室管理料3:「Ⅰ:70%」or「Ⅱ:60%」
        (「Ⅰ」の基準は据置、「Ⅱ」で10%下がる)
入院料
  • 特定集中治療室用(ICU)
    • 1:14,211点(7日以内)
    • 2:14,211点(7日以内)
    • 3: 9,697点(7日以内)
    • 4: 9,697点(7日以内)
  • 救命救急入院料
    • 1:10,233点(3日以内)
    • 2:11,802点(3日以内)
    • 3:10,233点(3日以内)
    • 4:11,802点(3日以内)
  • ハイケアユニット入院医療管理料(HCU)
    • 1:6,855点
    • 2:4,224点
  • 一般病棟入院基本料
    • 急性期一般入院基本料
      • 急性期一般入院料1:1,650点
      • (略)
      • 急性期一般入院料6:1,382点
    • 地域一般入院基本料
      • 地域一般入院料1:1,159点
      • 地域一般入院料2:1,153点
      • 地域一般入院料3: 988点

特定集中治療室用

  1. 一般病棟用
  2. ハイケアユニット用
  3. 特定集中治療室用
    1. 評価項目の変更
      1. A項目「心電図モニターの管理」:廃止(1点→0点)
      2. A項目「特殊な治療法等」IMPELLAが追加
      3. B項目「患者の状況等」:廃止(測定は引き続き必要!)
      4. 判定基準「A項目:4点」+「B項目:3点」
        →「A項目:3点」
    1. 必要度Ⅱでも提出可能に(例)
      1. 特定集中治療室管理料1:「Ⅰ:80%」or「Ⅱ:70%」
      2. 特定集中治療室管理料3:「Ⅰ:70%」or「Ⅱ:60%」
        (「Ⅰ」の基準は据置、「Ⅱ」で10%下がる)
特定集中治療室管理料
施設基準 通知
  • (10)当該入院料を算定するものとして届け出ている治療室に入院している全ての患者の状態を、別添6の別紙 17の「特定集中治療室用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票」を用いて測定及び評価し、その結果、基準を満たす患者が、重症度、医療・看護必要度Ⅰの場合は8割以上、重症度、医療・看護必要度Ⅱの場合は7割以上いること。ただし、短期滞在手術等基本料を算定する患者、基本診療料の施設基準等の別表第二の二十三に該当する患者(基本診療料の施設基準等第十の三に係る要件以外の短期滞在手術等基本料3に係る要件を満たす場合に限る。)及び基本診療料の施設基準等の別表第二の二十四に該当する患者は対象から除外する。なお、別添6の別紙 17の「特定集中治療室用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票」のB項目の患者の状況等については、特定集中治療室用の重症度、医療・看護必要度に係る基準の対象から除外するが、当該評価票を用いて評価を行っていること。
りゅう
りゅう

「B項目」が0点でも問題ないけど、測定だけはやめないでね!

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